ニュースリリース
2012年05月25日
NEC Avio赤外線テクノロジー株式会社
世界初(*1) 光学式防振メカニズム搭載レンズ採用
セキュリティ用途向け 遠赤外線カメラモジュールの発売について
『 セキュリティ向け赤外線カメラモジュールS200Cシリーズ 』
NEC Avio赤外線テクノロジー株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役社長 川島 雅幸)は、このたび、高感度赤外線センサを採用し、光学式防振機構レンズを世界で初めて(*1)搭載した『セキュリティ向け赤外線高感度カメラモジュール S200Cシリーズ』を発売いたします。
近年、防災、防犯を目的としたセキュリティシステムの普及、高度化が進んでいます。また、異常気象や海外の政情不安などからも、監視カメラへの関心が世界的に高まっています。
赤外線カメラモジュールS200Cシリーズは、遠赤外線センサを搭載しており、被写体から自然に放射される赤外線を測定し、温度分布を画像化するため、無照明下の完全な暗闇や、視界をさえぎる煙、霧、逆光などにより、通常の暗視カメラ(近赤外光の投射式を含む)では視認できない、または検知が困難な物体・現象を、鮮明に捉えることができます。また、温度画像による色アラーム機能は、不審者検知、警戒・警報システムの起動、侵入や災害予防に役立ちます。
さらに、監視カメラ用赤外線カメラモジュールにおいて、世界初(*1)となる光学式防振機構は、風や地面からの振動を吸収し、その影響・画像劣化を最小化するため、道路や鉄道高架など、高所の構造物での厳しい設置環境にも高い耐性を備えています。中・遠距離用、光学式ズーム機構付など多様なレンズ選択が可能であり、そのすべてに光学式防振、電動フォーカス・メカニズムを搭載しています。
このため、赤外線カメラモジュールS200Cシリーズは、重要施設周辺の監視、森林火災の早期検知などに最適です。また、様々な用途・場所で、屋外境界センサや通常の監視カメラに対し、より効果的、より経済的な手段となり、また、それら他のデバイスとも相互補完する役割を担います。
当社は今後も赤外線に関する独自の技術により、社会の安心・安全に貢献できる企業を目指し、より良い製品を提供して参ります。
新製品『セキュリティ向け赤外線高感度カメラモジュール S200Cシリーズ』の特長
- 遠赤外線センサと電動フォーカス機構による優れた視認性。
- 光学式ズーム2種、単焦点4種と多彩なレンズ選択が可能、中長距離の監視に最適。
- 世界初(*1) 光学式防振機構搭載。風や地面からの振動にも安定画像を提供。
- 320 x 240 非冷却型マイクロボロメータ
- 遠赤外波長帯域8〜4μm
- 先進の23.5μmピッチ検知器
- カラー強調・アラーム出力
- 優れた画像処理、高画質化機能
- 光学式防振機構(VC*2)搭載
- 光学式電動ズーム(ズームタイプ)
主な用途
- 重要施設や危険な場所への侵入者監視(公共インフラ、行政・産業施設での防犯対策):
- 上下水道、電力、ガス、通信、線路・道路、トンネル、橋、空港、港湾、工場、ダム、桟橋、刑務所、学校、博物館、コンテナヤード、倉庫、駐車場、養殖施設 他
- 安全管理・防災監視:
- 可燃物の発火検知、産業廃棄物処理場、森林火災初期検知、自然環境観察、落下物・障害物検知
主たる機能
1. 多彩なレンズ選択が可能。
単焦点レンズタイプ4種と、2種のズームレンズタイプにより、さまざまな監視用途に適応できます。6種すべてのレンズに、防振機構と電動フォーカスを搭載しております。
2. 世界初(*1)光学式防振機構VC(Vibration Compensation *2)を搭載
屋外での設置においては風や地面の振動などの影響を受け画像の劣化を招くことがあります。これを改善するために、赤外線カメラとしては世界初となる光学式防振機構を全レンズに搭載いたしました。これにより高所、交通インフラなど設置場所や環境に左右されず、鮮明な画像が得られます。(*3)
- 振動時(防振機能オフ)
- OIS(VC)オン
3. 優れたフォーカス性能、光学式3倍ズームレンズ
すべてのレンズに電動フォーカス、スポットAF(自動焦点)機能を搭載。設置後の運用中でも、フォーカス調整の遠隔操作が容易に行うことができます。また、中距離監視用と遠距離監視用に、赤外波長域に最適化されたズームレンズを開発しました。(Z015/ Z035)インターナルフォーカス方式を採用、移動幅が小さい内部レンズでの焦点調整にて、鏡筒の長さは変化せず、素早いピント合わせが可能です。
4. アクティブ・アサーマル機能
レンズ内の温度変化を検出し、環境温度に最適な光学補正を自動で行うことにより、レンズ材料の屈折率変化及びレンズ鏡筒の熱膨張による焦点ズレを回避します。昼夜、季節、気候に伴うモジュール周辺温度変化に対応します。
5. 高感度赤外線センサの搭載と多彩な画像処理
- NICE(表示最適化): NEC Avio's Integrated Image Correction and Enhancement
- NICEは、セキュリティ用途向けに当社が開発した画像処理アルゴリズムです。外灯照明など相対温度差の大きいものが画面にある場合など、部分的にコントラストが低下し対象物が背景に沈み込みやすいことがあります。そのような状況でも、ヒストグラム分析によりグレースケール(諧調割り当て)を最適化し、輪郭補正との統合処理にて被写体を浮かび上がらせます。(被写体や環境によって、効果が得られない場合があります。)
- カラー強調機能
- 閾値として、ある輝度(グレースケール)レベルを設定することにより、それ以上または以下の対象物のみを任意の色にて画面表示し、注意すべき事象や物体を強調、目立たせることができます。
- プライバシーマスク機能
- プライバシーマスクは監視に不適切な部分や、監視対象外としたい部分にマスクをかける機能です。自然光の反射など監視対象と比較して輝度差の大きい部分をマスクすることにより、画像最適化(諧調割り当て)が可能となります。また、アラーム機能において、検知対象外領域を設定する場合にも使用できます。
- ※ S200Cシリーズ、カメラモジュールは、アナログ画像出力、制御信号入力を備えたカメラ・コアです。お客様のシステム・設置環境にあったハウジングや雲台へ、他のインターフェースとともに組み込んで頂くことができます。
- *1 遠赤外線サーモカメラ・モジュールにおいて。2012年4月末当社調べによる。
- *2 VC: Vibration Compensation。VCは株式会社タムロンによる技術です。
- *3 周波数、振動幅により改善効果に差があります。
型式
代表型番 | 仕様 |
---|---|
S200C | (60Hz) |
S210C | (8.5Hz) |
仕様別記号 (レンズ指定番号) |
焦点距離(画角/H) |
---|---|
N025 | 25mm(17.3°) |
N035 | 35mm (12.3°) |
N050 | 50mm(8.6°) |
N100 | 100mm(4.3°) |
Z015 | 15〜45mm(29.3°〜9.5°) |
Z035 | 35〜105mm(12.3°〜4.1°) |
主な仕様
項目 | 仕様 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
型式 | S200C / S210C | ||||||
検出器 | 320 x 240 2次元非冷却センサ(マイクロボロメータ) | ||||||
波長 | 8〜14μm | ||||||
センサーフレームレート | S200C:60フレーム/秒、S210C:8.5フレーム/秒 | ||||||
温度分解能 (NETD) | 80mK以下(F1.4レンズ使用時)、40mK以下(F1.0レンズ使用時) | ||||||
レンズ仕様 (レンズ指定番号) |
N025 | N035 | N050 | N100 | Z015 | Z035 | |
焦点距離 | 25mm | 35mm | 50mm | 100mm | 15-45mm | 35-105mm | |
F-値 | F1.4 | F1.4 | F1.4 | F1.0 | F1.4 | F1.0 | |
視野角 (H) x (V) |
17.3 x 12.9° | 12.3 x 9.2° | 8.6 x 6.5° | 4.3 x 3.2° | Wide:29.3 x 21.8° Tele:9.5 x 7.1° |
Wide:12.3 x 9.2° Tele:4.1 x 3.1° |
|
撮像距離範囲 | 0.5m〜∞ | 0.5m〜∞ | 0.7m〜∞ | 7m〜∞ | 1m〜∞ | Wide:2m〜∞ Tele:5m〜∞ |
|
光学ズーム | - | - | - | - | 電動(x 1.0〜x 3.0) | ||
フォーカス | 全体繰り出し、スポットAF機能 | インターナルフォーカス、スポットAF機能 | |||||
揺れ補正機能 | 有り | ||||||
アサーマル機能 | 有り | ||||||
デジタルズーム | 1x 〜 4x | ||||||
プライバシーマスク | ON, OFF(エリア任意選択・設定) | ||||||
カラー強調 | Off / Over / Under(諧調レベル0〜255) | ||||||
ビデオ出力 | コンポジットビデオ NTSC(30Hz)or PAL(25Hz) | ||||||
デジタル出力 | 16bit RAWデータ、ITU-R BT656 | ||||||
外部トリガーI/F | 入力:NUC(画面補正)タイミング 出力:アラーム発生時、NUC実行中ステータス信号 |
||||||
制御系インターフェース | RS-232C or RS-485 | ||||||
電源 | 12VDC±10% | ||||||
外形寸法 (鏡筒最大径 x 奥行き) |
約 Ø79 x 146mm | 約 Ø79 x 146mm | 約 Ø79 x 146mm | 約 Ø110 x 200.5mm | 約 Ø98 x 161.5mm | 約 Ø120 x 239.5mm | |
重量 | 約 720g | 約 750g | 約 750g | 約 1535g | 約 1040g | 約 2210g |
販売開始時期、販売台数
- 販売開始時期 2012年6月
- 目標販売台数 初年度 400台
サーモグラフィのシリーズ名称『InfReC(インフレック)』について
『InfReC』は、「InfraRed Camera(赤外線カメラの意味)」を略した造語であり、一部製品では「赤外線(Infrared)にて情報(Information)を記録する装置(Recorder)」という意味も込められています。
- 『InfReC(インフレック)』のロゴマーク
赤外線カメラのアプリケーションはさまざまですが、近年の製品の多様化・低価格化により、その用途はさらに広がっています。当社は赤外線カメラ製品を総称する『InfReC』にて、温度計測の分野にとどまらず、セキュリティ、パンデミック対策、建築物の断熱性診断を通した地球温暖化対策など、環境保護と社会の安心・安全に貢献できる企業を目指して、赤外線カメラの市場をリードしてまいります。
ニュースリリースに関するお問い合わせ先
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営業管理部 営業推進グループ 高畑、中林
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