東京都・お茶の水女子大学付属中学校様
新しい機能で効果抜群 生徒たちの関心を喚起

- 青、赤、緑……。投映した映像にタブレットを使って書き込みながら説明する加々美教諭
「さて前回の授業は何を習ったっけ。ちょっとAさんのノートを貸して下さいね。これをプロジェクタでスキャナーして……。はいこれでOK。ノートは返しますね」
こう話しながらプロジェクタの映写スイッチを入れると、画面にはAさんが前回の授業で自分のノートに描いた数直線が。「左から右を見たときが正(+)の向き、逆が負(-)の向き」――。説明しながら正方向を青のペン、負方向を赤のペンでそれぞれタブレットに映った画像をなぞっていくと、投映された画面にもクッキリと青、赤の線が。その瞬間に生徒たちから「ウワー」と歓声が上がり、導入時から関心が高まっていくのがわかる。
特徴的な3つの新機能
東京・お茶の水女子大学附属中学校(三輪建二校長、生徒数三百九十八人)の一年梅組。加々美勝久教諭が指導する数学1=「数同士の大小」の授業の模様だ。「数直線の概念をきちんと把握することは、中学校から始まる『数学』の初歩であり基礎・基本。全員が納得し理解できるようにプロジェクタを活用しました」
こう説明する加々美教諭によると、今回活用しているプロジェクタは「iPシリーズ=iP-750」(日本アビオニクス製)。1.実物投映画像をパソコンへ取り込む「スキャナー機能」 2.投映中の実物投映画像やパソコン画像に書き込みできる「書き込み機能」 3.書き込んだ状態をそのまま保存できる「データセーブ機能」――を持った新機種。「本校ではこの四月から導入して、授業に使っています」
生徒たちも興味津々
授業は数の大小を理解する大切な部分に入っていく。「数直線上では正の数、負の数にかかわらず、右にある数の方が大きい。これは重要なポイントです。ではここで教科書十二ページの『問3』をプロジェクタに取り込んで、直接答えを書き込んでもらいます。誰か操作を希望する者は」と加々美教諭がいったとたんに教室中から「ハイ」「ハイ」「ハイ」……。全員が手を挙げ積極的に参加する。その後は、+や-の符号を取り去った数=「絶対値」について理解を深めたのち1.二つの正の数 2.正の数と負の数 3.二つの負の数――それぞれのケースにおける数の大小について学び、授業は終了した。
「プロジェクタで生徒のノートを投映しようとした場合には、これまでの機種はスキャナー機能がついていなかったので、当の生徒はその間手元にノートなしで授業を受けなければならなかった――。そこでこの機種が出た時に『これは使える』と思い、決めました」と加々美教諭。
デジタル教材の作成も
こうしたスキャナー機能以外にも加々美教諭が注目するのが、「書き込み機能」。「特に数学の場合は手を動かすことが大切。自分で式や数字を書いて同時に頭の中にイメージを創造していく……。そんな時にこの書き込み機能は生きてくると思います」
またスキャナー機能についても「これを発展させれば事前に教科書やサブテキストなどを取り込んで、"デジタル教材"を創っておくことも可能になります。授業の幅がより広がり、質がより深まる――。そんな可能性を持った機種といえるでしょうね」。そのためには「どの場面でどのように効果的に活用すればよいのか、教師自身が授業観を磨く必要もある」と強調する。
(日本教育新聞 2005年5月23日号掲載記事による)
