世界初* カメラヘッド脱着型サーモグラフィ

 

ニュースNews

2018.6.15
「第42回プラントメンテナンスショー」に出展
2018年7月18日(水)~7月20日(金) 東京ビッグサイト 東1ホール 1C-04
2018.6.15
「人とくるまのテクノロジー展2018 名古屋」に出展
2018年7月11日(水)~7月13日(金) ポートメッセ名古屋(名古屋市国際展示場) ブースNo.98
2017.8.23
製品発表会・発売記念セミナーを開催
・9月13日(水) 東京ビッグサイト102会議室
・10月5日(木) 電気ビル共創館カンファレンス
・10月18日(水) 名古屋国際センター
・11月15日(水) メルパルク新大阪
2017.8.23
TEST 2017 「第14回 総合試験機器展」に出展
9月13日(水)~9月15日(金) 東京ビッグサイト(東京国際展示場)東6ホール T-51
2017.8.23
世界初!カメラヘッド脱着型サーモグラフィ 「Thermo FLEX F50」誕生

世界初*カメラヘッドが着脱可能な
フリースタイル・サーモグラフィ

「潜りこむ」「取り付ける」「中に入れる」
自由なスタイルで撮影

70°タイプ / 35°タイプ 2つのカメラヘッドを用意

*2017年8月現在 当社調べ
動画再生詳細は動画で

初心者でもカンタン
タッチパネルを活かした
直感的操作

新機能「オートポイント」
スケールの上限値・下限値をタッチした場所で指定可能

新機能「スカイオフ」
空や雲の温度に邪魔されず、温度スケールの自動設定が可能

新機能「カスタマイズボタン」と使いやすいハードキー
手袋をしていても記録やスケール設定を素早く操作できるハードキーと、良く使う機能を任意に割り当てられる3つのカスタマイズボタン

新機能「トレンドグラフ作成」
コントローラで最大3ポイントの温度変化を7.5Hzでトレンドグラフ化
ソフトウェアを使用せずにCSVファイルで保存

動画再生詳細は動画で

臨機応変かつ効率的に
撮影できる圧倒的現場力

広角レンズで近距離から設備全体を映し出せる
画像枚数・作業時間が従来の1/4に

設備の裏側や隙間に回り込んでくまなく点検

高所も首を上向けずに楽な姿勢で映せる

ネックストラップによる両手フリーでメモや他の作業の邪魔にならない

IP64の防塵・防抹構造と1m落下の耐衝撃性

画像回転、可視像合成、LEDライト、色アラーム、連写記録など、
多彩な撮影補助機能

動画再生詳細は動画で

SCENE 1

工場・発電所

PCも、熱電対も不要
環境温度試験を圧倒的に効率化

耐熱環境温度性能70°のカメラヘッド

カメラヘッドを恒温槽の中に入れて外からコントローラで測定
電子基板や装置に温度センサを貼り付ける手間を削減

カメラヘッドとコントローラ それぞれを三脚や架台に固定できる

可動ポイント、最高・最低自動温度追尾、エリア解析、ラインプロファイルなどタッチ操作を活かした多彩な計測機能

新機能「トレンドグラフ作成」
コントローラで最大3ポイントの温度変化を7.5Hzでトレンドグラフ化
PCソフトウェアを使用せずにCSVファイルで保存

PCとの接続でリアルタイム解析が可能
(オプションソフト NS9500 Pro 使用時)

動画再生詳細は動画で

SCENE 2

研究・開発

技術ではなく、コンセプトをつくる。
新しい「ものづくり」を牽引するフリースタイル・サーモグラフィ。

日本アビオニクス株式会社が発表した新製品「Thermo FLEX F50」。
カメラヘッドとコントローラが脱着するまったく新しいスタイルのサーモグラフィはどのようにして生まれたのか。
開発を担当したメンバーに話を聞きました。

赤外線サーモグラフィ事業部
マーケティンググループ
主任
丹治 栄二郎

赤外線サーモグラフィ事業部
マーケティンググループ
リーダー 専任部長
木村 彰一

赤外線サーモグラフィ事業部
技術部 研究開発グループ
兼 マーケティンググループ
エキスパート
笛 憲司

赤外線サーモグラフィ事業部技術部
研究開発グループ
マネージャー
宇田 康

営業と技術者が一体となって起こしたイノベーション

―― Thermo FLEX F50は、どのような経緯で生まれたのでしょうか。

木村:もともとは、2016年1月に「新事業企画グループ」という営業・技術の横断的組織が編成されたところから始まっています。そのメンバーが、この4人だったんですね。実は、これまで弊社では営業と技術のセクションで組織が分かれているのみで、企画を専門でやる部署は存在していませんでした。

宇田:そのなかで、営業や技術という垣根を取っ払って競争力のある新製品開発をしなければならないという危機感が社内にあったんですよね。技術であっても企画がまともにできなきゃという。

木村:そう。従来のような技術オリエンテッドな考え方ではダメだよね、という危機感です。特に、いま私たちのサーモグラフィ事業は、海外の大企業の勢いが増して市場を攻め込まれている現状があります。だからこそ、私たちとしてはお客様のニーズをつかみながら、新しい付加価値のある製品を創り出す必要がありました。いま多くの日本のメーカのものづくりが苦境を呈していることと同じ状況だと思いますが、コンセプトや企画力こそが、これからのメーカの収益源であり、生きる道なのだと私たちは考えています。デファクトスタンダードの製品競争のなかで小さな差別化を狙うのではなく、コンセプトから差別化された製品を狙おうというのが、我々、新事業企画グループの目標であり、想いでした。

―― 新しい組織、新事業企画グループが本製品開発のきっかけになったということですね。

木村:そうです。でも、はじめは全く別の製品の企画からスタートしました。1月に組織が発足してから、まずはメンバー全員がお客様のところに訪問してサーモグラフィの使われ方を実際に見たり聞いたりして、改めてヒアリングを重ねていきました。そのなかで拾い上げた声から一つの企画に練り上げていったわけですね。でも、新事業企画グループはあくまでも横断的な組織ですから、各人がそれぞれ別のリアルな仕事もしているわけです。時間のマネジメントを工夫しながら必死に準備していきました。それで、やっとのことで夏に企画ができあがったんですけど、それが全然上層部に刺さらなくて。かなりダメ出しをくらって、実は夏くらいに一度振り出しに戻ってしまったんです。

笛:ちょうど夏休み前でしたよね。あの時は、みんなで苦い酒を飲みましたね(笑)

木村:そうそう、夏休みもかなり悶々として過ごして。“ダークサイド”に落ちかけました(笑)
ただ、夏休みが明けたころにちょうど、「なにか小型で低価格帯のカメラを企画しよう」という話が急に湧いてきたんです。そこで、この新しい企画に対してみんなで“JEDI(ジェダイ)”という開発コードをつけて、気持ちを新たにして取り組んでいきました。それこそが、Thermo FLEX F50だったんですね。

丹治:ここから企画をまとめるのは、すごい早かったですよね。9月にはビジネスプラン化を始めていたので、企画自体は1カ月くらいでまとまりました。

笛:ダメになってしまった企画のときに行っていたヒアリングっていうのが、実は無駄じゃなかったんですよね。そのとき企画した形にはならなかったけれども、今回の製品に活かされていったという。特に、ぼくら技術者はこれまではお客様の声を直接聴ける機会ってあまりなかったんですよね。実際にお客さんのところに行って、見て、聞いて、ああこんなことやるんだということを直接感じられたことはとても大きかったですね。それをベースに考える開発は、まるで違いました。

宇田:人から聞いて考えるよりも、自分で見て、感じて考える方が、やっぱり本気度も違ってきますからね。

木村 彰一
宇田 康

企画からたった1年で製品発表へ

―― そうすると、ちょうど1年くらいで発表に至ったわけですね?

丹治:そうですね。めちゃくちゃ早いですよね(笑) ただ、コンセプトがはっきりしていたので、そこからブレずに進められたのは大きかったですね。迷っても戻るところがあったので、まっすぐに進められました。

笛:いつもであれば製品開発が始まると、仕様でもめるんですよね。

宇田:そう。営業の人が要求を持ってきて、それに対して技術が現実的でないだとか、ほんとにこの機能要るの? とか、そんなことで議論しているうちに時間が掛かってしまう。

笛:でも、今回は技術者も含めてみんなでお客様のところへ行って、ヒアリングしたうえで企画しているから、大きくもめなかった。もちろん、個々の意見はいろいろあるんですけど、基本、コンセプトがみんな同じだし、本質的なニーズを共有できてましたからね。たとえば、営業から何か無理なオーダーを言われたとしても、実は本当はその裏に隠れている「やりたいこと」があるものですよね。それがわかれば「じゃあ、こういうのだったらできるよ」っていうのは、技術者は言えるわけです。今回はその本質的な要求を共有できていたから、建設的に話が進められました。そこが一番大きいんじゃないかな。

丹治 栄二郎

はじまりは、100円の懐中電灯とスプーンのケース

―― 脱着型のデザインは、どのように決まったんですか?

木村:まず、技術トレンドとしてセンサの狭ピッチ化が進んでいたので、最初はそれを利用してカメラを小型化できないかということを考えていました。ただ、それだけではコンセプチュアルな製品は生まれません。それに加えて、お客様の声を聞いたり、現場を見たりしているなかで、高いところを撮ろうとしているのに撮れないだとか、測定物の裏側が撮りにくいという現場を散々経験してきたので、そこを解決したいというのが始まりだったんです。あと、現場では手ぶらで移動できることが重要だということも実感していたので、そこにも着目していましたね。
そんなことを考えていたときに、小さな懐中電灯くらいのカメラヘッドと、スマートフォンくらいの画面を合わせれば使いやすい形になるんじゃないかと思いついたんですね。それで、100円ショップで懐中電灯と子ども用のフォークとスプーンが入ったケースを買ってきて、その二つを磁石でくっつけて形状のコンセプトをつくっていったんです。それが最初のプロトタイプですね。役員への企画説明も、実機はまだありませんから、もちろんこれでやりました。最初は可愛すぎて笑われたり、こんなチャチなものじゃいかんと言われたりと、説明するのも一苦労でしたね(笑)

丹治:そのコンセプトをもとに、デザイナーと相談しながら形状を突き詰めていきました。持った時の感覚だとか、重さのバランスや握りやすい太さだとか、そういう使用感も一緒に考えて設計を進めましたね。

木村 彰一
プロトタイプ前面 プロトタイプ裏面
2代目のプロトタイプ。印刷したサーモグラフィの画面を貼りつけたスマートフォンのケースに懐中電灯をくっつけている。裏側には初代プロトタイプの痕跡(フォークとスプーンのケース)が残る

スマートフォンとは違う「計測器」としての機能追求

―― この製品を実現できた技術的なポイントはどこにあったのでしょう?

笛:今回の製品では、ハードウェアからソフトウェアに至るまで、まるっきりイチからつくり上げています。はじめこの製品アイデアを木村さんから聞いたときは、スマートフォンとカメラの組み合わせだなと思ったんですよ。でも、検討を進めるにつれて絶対にスマートフォンでは実現できないということがわかってきたんです。

丹治:この製品は、あくまでも「計測器」なんですよ。画像を撮るだけじゃなくて、正確に計測しなければならない。そして、確実にデータを記録しなければいけません。

木村:デザイン面も含めてだけど、スマートフォンみたいな装置ではなく「スマートフォンとは差別化された計測器」であることを目指したことが一つの大きなポイントだったよね。

笛:そう。計測器としての機能や使い勝手を考えていけばいくほど、既存のものでは実現ができなかったんです。赤外線という独特なものを扱うこともありますから、ハードウェアからOSまで全ていじらなければなりませんでした。でも、逆にこれが自信にもなったんです。赤外線の技術や現場のことを知り尽くしていて、ユーザ目線で使い勝手が良いように技術開発を実現できるのは、弊社しかないと確信しましたから。

宇田:現場で“使える”計測器として考えていくと、ボディの堅牢性はもちろん、コントローラの高速処理性能も必要な性能です。それに加えて、手袋をしていても操作しやすいハードウェアのボタンですとか、データ通信の信頼性を確保するために無線ではなくあえて有線を採用しようといった仕様も、必要不可欠だと考えて設計した点ですね。
あと、ユーザーインターフェースの部分は特に苦労しましたね。従来はボタンのみだった操作を、タッチパネル操作向けにイチから再構成していくわけですから。NECグループのパートナーと協力しながら開発を進めたものの、何しろ前例がない製品なので、参考にできるものがないわけです。でも、タッチパネルで温度スケールを設定すれば便利だよねっていうことはずっとわかっていたことでしたし、ここで一気に構成しようということで「ああでもない、こうでもない」と、みんなで右往左往しながら議論を重ね、何とか設計していきました。

笛:赤外線は計測器として使用するために独自の補正が必要になるんですよね。そこがとても重要で、肝になる部分なんですが、今回は新しい試みとしてそれをモデル化してPC上で検証する時間を多くとりました。これによって、補正の具合がスムーズに確認できて、より良い補正が構築できました。このモデルは今後もブラッシュアップしていけますから、開発サイクルをもっと早くできる。開発のなかで、次につながる成果も生み出せたのは良かったですね。担当者は本当に頑張ってくれたと思います。

木村:それと、カメラヘッドの脱着機構も重要なテーマでした。当初は磁石による脱着を検討していたんですが、設計を進めるうちに磁界がお客様の計器に及ぼす影響や、ある方向からの力に弱くて外れやすいなど、様々な課題が見えてきました。そこで急遽、磁石を使わない新たな脱着構造の設計を行って、現在のメカニカルな構造にしています。簡単に外れて落下しないことはもちろん、カメラヘッドを回転させるときの感触などにもこだわって設計しました。

笛 憲司
宇田 康

新しい使い方で、新しい市場を創り出す製品へ

―― この製品をどのように活用してほしいですか?

木村:まずは、プラントや発電所の設備診断に活用していただきたいですね。本製品の着脱構造が、作業の効率化に役立てられると思っています。それと、広角レンズが活かせるシーンとして、住宅の検査でもご活用いただけるのではないでしょうか。狭い室内で壁面を広く映せるのはもちろんのこと、従来のサーモカメラでは難しかった天井裏や軒下の撮影も、カメラヘッドを取り外せば効率的に検査できますから。あと、Thermo FLEX F50は、カメラヘッドにもコントローラにも三脚座があって固定しやすいようにしているんですよね。設計時にこだわったポイントなんですが、これが使い方の可能性を大きく広げていると思います。たとえば、研究開発の現場では三脚座にカメラヘッドを固定したら、その後はカメラヘッドに触れなくてもコントローラ側を操作して温度変化を記録することができます。カメラに触れてアングルが変わってしまうと、正確に温度変化をグラフ化できなくなりますからね。もっと言えば、カメラヘッドの耐環境温度性能を活かして、恒温槽の中にカメラヘッドを入れて測定する、という使い方もできるようになっています

笛:狭い隙間を通してカメラヘッドを中に入れて固定できるんですよね。装置の中や自動車のエンジンルームに入れて使っていただくのも良いですよね。

木村:あとは、人命救助にも活躍できないかと思っています。瓦礫の中から生存者を見つけるときに役立てられないかなと。小型で軽量なカメラだから、もしかしたら救助犬につけてもらうのもいいかもしれない。

丹治:そうですよね。個人的には、私たちの想像もつかないような使われ方もどんどん出てきてほしいなって思うんですよ。今までになかったコンセプトのサーモグラフィなので、どんな活用法が出てくるのかっていうところにすごく興味があって。そういうものが出てきたら、また新しい企画を生み出して、市場に良いサイクルを投入していきたいなと思っています。

笛:確かに。市場を食う製品じゃないんですよね。市場を広げる製品にしていきたい。

宇田:いままでの製品のなかで一番、これは使えそうだ! っていう風に思っています (笑) ぜひ、みなさんに活用してほしいですね。そして、せっかく今回新しいコンセプトの製品を出したので、これをどんどん継続していきたいです。

木村:そう。そのために、マーケティングとイノベーションこそが一番重要だと思うんですよね。これから出していく製品は他社の真似ではなくて、本当のお客さんの本質的なニーズをつかんでいく。そして、製品や業界への詳しさからくる直感と、お客様視点による冷静な大局観をもとに、さらなるイノベーションを起こしていきたいと思っています。

開発者
開発者