ニュースリリース
2011年2月23日
株式会社タムロン
NEC Avio赤外線テクノロジー株式会社
セキュリティ用途向け
遠赤外線高感度カメラと高機能レンズ群を、
業界のリーディングカンパニー2社が共同開発
赤外線機器の国内トップカンパニー「NEC Avio赤外線テクノロジー株式会社」と総合光学機器メーカーでセキュリティ市場のリーディングカンパニー「株式会社タムロン」は、セキュリティ向け遠赤外線高感度カメラおよびレンズ交換式の高機能レンズ6機種を共同開発いたしました。
- セキュリティ向け遠赤外線カメラおよび交換レンズ6種(うちズーム2種)、ハウジング(2種)
開発の背景
遠赤外線カメラは、近年多発したパンデミック(大規模感染)対策用のスクリーニング機器として脚光を浴び、様々な用途で使用されるようになってまいりました。赤外線は、可視領域に比べ長波長であるため、赤外線センサは熱を検知することが可能で、無照明下の夜間や視界をさえぎる霧などの影響が最小限となり、可視カメラでは映像化されない物体・現象を画像にすることが出来ます。このような特徴を持つ遠赤外線カメラはセキュリティ分野で大きな市場拡大が期待されています。
このセキュリティ分野では、画像の認知性の向上が必要となります。そこで、本共同開発では、遠赤外線センサの高感度化および画像処理改良、および設置における振動による画像劣化を光学式防振機構で改善し、さらに光学式ズームによる各焦点距離において高画質な画像を得る高機能レンズの開発を行いました。
共同開発遠赤外線カメラおよびレンズ
新開発の遠赤外線カメラは、大幅な高感度化と多彩な画像処理を実現しました。加えて、世界初となる遠赤外線カメラ用光学式防振機構(VC)や、遠赤外域に最適化された業界最先端のズーム光学系を備えた交換レンズを6機種開発しました。画期的なレンズ交換方式の採用により、さまざまな監視状況にカメラとレンズをフレキシブルに組み合わせて対応することができます。
1. 高感度遠赤外線センサの搭載と多彩な画像処理
NEC Avio赤外線テクノロジー㈱の遠赤外技術、画像処理技術により、さらに高画質な監視画像を提供いたします。
- 高感度化 : 遠赤外線高感度センサを搭載
- 表示最適化 : 高温/低温が混在した画像でも表示つぶれしない
- エッジ強調 : 監視被写体を抽出しやすいよう輪郭を強調する
- S/N改善 : デジタル的にノイズを低減
2. 遠赤外線カメラ初の光学式防振機構VC(Vibration Compensation)を全レンズに搭載 (世界初*)
特に屋外での設置においては、風や地面の振動などの影響を受け、画像の劣化を招いています。これを改善するために、遠赤外線カメラとしては初となる、光学式防振機構を、全レンズに搭載いたしました。これにより、高画質な監視画像を実現いたします。
- (* 2011年1月末 NEC Avio赤外線テクノロジー(株)調べ)
3. 遠赤外波長域に最適化された光学式3倍ズーム搭載 ※2機種
中距離監視用と遠距離監視用に最適な焦点距離をカバーするズームレンズを開発しました。光学式3倍ズームにより、設置時の画角設定が容易に行え、かつ各焦点距離において、高画質な画像を得られます。
4. レンズ交換式の採用
さまざまな監視状況にフレキシブルに対応できるように、単焦点レンズ4機種、ズームレンズ2機種を開発しました。用途に合わせ、レンズ交換でシステムを容易に組み替えられるので、設置の利便性向上、納入のスピード化、在庫負担の軽減が図れます。
- 専用レンズマウント
5. 屋外設置時の防塵・防滴対応
レンズに合わせた2種類のハウジングを用意しました。専用ハウジングとの組合せで、IP66に対応いたします。
想定される用途
夜間の遠方監視、重要施設の侵入者監視、密猟者監視、交通網監視、倉庫監視
進路上の障害物監視、森林火災火元検知、トンネル、海上監視
主な仕様
カメラ | ||||||
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波長範囲 | 8〜14μm | |||||
撮像デバイス | 非冷却マイクロボロメータ | |||||
有効画素数 | 320(H)×240(V)画素 | |||||
フレームレート | 60フレーム/秒 または 8.5フレーム/秒 | |||||
NETD | 80mK(F1.4レンズ使用時) 50mK(F1.0レンズ使用時) |
レンズ | ||||||
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焦点距離 | 25mm | 35mm | 50mm | 100mm | 15-45mm | 35-105mm |
35mm換算 | 115mm | 161mm | 230mm | 460mm | 69-207mm | 161-483mm |
F値 | 1.4 | 1.4 | 1.4 | 1.0 | 1.4 | 1.0 |
水平画角 垂直画角 |
17.2° 12.9° |
12.3° 9.2° |
8.6° 6.5° |
4.3° 3.2° |
29.3-9.5° 21.9-7.1° |
12.3-4.1° 9.2-3.1° |
撮影距離 | 0.5m〜∞ | 0.5m〜∞ | 0.7m〜∞ | 7m〜∞ | 1m〜∞ | W:2m〜∞ T:5m〜∞ |
フォーカス駆動 | 電動 | |||||
防振機能 | あり | |||||
アサーマル機能 | あり | |||||
光学ズーム | - | - | - | - | 電動 | |
マウント構造 | バヨネット方式 |
ハウジング | ||||||
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外形サイズ | 大:175×175×516(mm)、小:150×150×423(mm) | |||||
防塵防滴 | IP66対応 |
- ※仕様、外観はお断りなく変更する場合があります。
参考:遠赤外線カメラとは
物体は、その温度に応じて様々な波長の光を自ら放射します。一般のカメラや暗視カメラなどと異なり、物体が自ら放っている遠赤外域の光(波長約8〜14μmの電磁波)を映像化することができるのが、遠赤外線カメラの大きな特徴です。物体が自ら放射する光(電磁波)は、物体の温度によってその波長が異なることから、遠赤外線カメラで撮影することはすなわち物体の温度分布を映像化することになり、そのことから、遠赤外線カメラは「サーモグラフィ」という名称でも知られています。
本ニュースリリースのお問い合わせ先
カメラについて
NEC Avio赤外線テクノロジー株式会社 マーケティング部
〒141-8535 東京都品川区西五反田8-1-5
TEL:03-5436-1372 FAX:03-5236-1618
E-mail:businessdevelopment@ml2.avio.co.jp
レンズについて
株式会社 タムロン 新事業推進室
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