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ニュースリリース

2017年2月7日
日本アビオニクス株式会社

IoTやインフラ維持管理の分野で新たなアプリケーションを開拓
サーモグラフィでクラス最速撮影(※1)
【インフレック H9000】を発表
~欧州大手の民生用赤外線機器メーカー 独 InfraTec社と提携~

(※1)2017年2月当社調べ

サーモグラフィでクラス最速撮影【インフレック H9000】を発表

 日本アビオニクス株式会社(本社:東京都品川区、社長 秋津 勝彦)は、民生用赤外線機器領域で欧州大手のひとつである ドイツ InfraTec社(※2) と提携し、高性能な冷却型サーモカメラのハイエンドモデル 【インフレック H9000 (Thermo HAWK)】 (以下、本製品) を発表いたします。本製品は、国内市場向けに最適化された性能・機能を搭載した特別仕様モデルとしてInfraTec社が開発し、当社が国内で販売からインテグレーション、サポートまで行います。

 現在、製造業において市場を牽引している自動車業界では、安全性向上や環境対応と共に、自動車の電装化・IoT化が加速されています。そのなかで、素子や電子部品の小型化に伴う熱問題が大きな課題として発生し、熱設計・熱解析の重要性が増しています。しかしながら、対象物が小さくなるほど熱電対などの接触式温度計による温度計測は難しくなるため、微小エリアの温度計測を非接触で高精度に行いたい、というニーズが高まっております。また、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)を中心とする軽量で耐久性の高い炭素系新素材や複合材料の普及に伴い、成型時の品質管理や内部欠陥の検査など、新たなニーズが生まれています。

 一方、老朽化が進むインフラの維持管理におきましては、道路橋・トンネル・水路などのコンクリート構造物の内部欠陥をより高速かつ高感度に検出し、安心・安全な社会に貢献できる効率的な検査手法の確立が待ち望まれております。

 このたび発売するサーモカメラ 【インフレック H9000】 は、高感度で応答速度の優れた赤外線検出素子である「InSb(インジウムアンチモン)」を搭載し、フルフレーム(640×512画素)で200Hz(オプション装着時は355Hz)、ウィンドウイングモードで最速5000Hzと、クラス最高レベルの超高速撮影が行えます。これにより、タイヤやブレーキディスクなどの回転体の温度変化や、エアバッグ爆発の瞬間などの高速現象を捉えられるほか、パルス加熱等による熱の移動を捉えることで素材内部の欠陥を検出する、などの非破壊検査が行えます。
また、豊富なレンズバリエーションを用意しており、顕微鏡レンズ装着時には最小5ミクロンの空間分解能で微小物の温度計測を非接触かつ高精度に行えます。

 冷却型ハイエンドモデルの販売には、お客様の個別ニーズにお応えする的確なソリューション提案が不可欠であり、当社の豊富な経験とノウハウが強みとなります。また、InfraTec社は赤外線用レンズなどカメラの特注開発力を強みとしており、両社の提携によってお客様のニーズに合わせた柔軟なカスタム対応が可能となります。当社は、ヨーロッパ最高峰のハイエンドカメラの性能と、当社が永年培ってきたノウハウ、及び、国内メーカーならではの技術力とサポート力を結集し、お客様のハイレベルなニーズに最高のソリューション提案でお応えすると共に、新たなアプリケーションの開拓を目指して参ります。

※2:InfraTec GmbH Infrarotsensorik und Messtechnik

■モデル名

モデル名 出荷開始
H9000 2017年3月下旬

■新製品の主な特長

1)「InSb(インジウムアンチモン)」センサによる超高精細な熱画像

 最も高性能な赤外線検出素子のひとつである 『InSb (インジウムアンチモン) センサ』 を搭載。640×512画素の高解像度と温度分解能 0.025℃の高感度で、ハイ・コントラストかつ高精細な熱画像を取得できます。
 例えば、日光が当たらないトンネル内でわずかな温度差を検出するコンクリート内壁面剥離診断などで威力を発揮します。

2)高速現象を撮影可能なクラス最速のフレームレート

 フルフレーム(640×512画素)で200Hz、オプションで355Hzの高速撮影が可能です。さらに、ウィンドウイングモードにより、最速5000Hz(640×2ライン)の超高速撮影が可能となります。
 高速に回転する自動車のブレーキやタイヤの正確な熱分布の撮影、エアバックの展開試験における温度計測などで威力を発揮します。

3)目的に合わせて最適なレンズが選べる豊富なレンズバリエーション

 6種類のオプションレンズをラインナップしました。特に、近接拡大レンズや顕微鏡レンズはワーキングディスタンス(WD:レンズ先端から対象物までの距離)が長く設計されており、実験用の空間を広く確保できます。
 基板実装部品やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスなどの微小物の計測から、構造物や路面診断など広範囲の計測、ロケット燃焼試験のような遠距離の計測まで、豊富なレンズオプションで様々なシーンに対応します。

  • 5μm顕微鏡レンズ  :空間分解能 5μm WD 2.4cm
  • 15μm顕微鏡レンズ  :空間分解能 15μm WD 20cm
  • 75μm近接拡大レンズ :空間分解能 75μm WD 50cm
  • 2倍視野拡大レンズ  :測定視野角(水平×垂直) 43.6°×35.5°
  • 2倍望遠レンズ    :測定視野角(水平×垂直) 11°×8.8°
  • 4倍望遠レンズ    :測定視野角(水平×垂直) 5.5°×4.4°

4)1200℃までの高温レンジを標準搭載、オプションで2000℃までレンジ拡張が可能

 溶接温度のモニタ、ダイキャスト金型温度監視など、高温対象物の温度計測が可能です。
 より高温の計測が必要な場合は、2000℃レンジの追加が可能です(オプション)。

5)特殊計測用フィルタ(オプション)を用意、その他、様々なカスタマイズにも対応

 火炎越し計測、火炎計測、ガラス越し計測、ガラス計測用フィルタにより、特殊計測に対応します。
 また、特注フィルタやレンズ、温度レンジ・積分時間の最適化などのご要望にも柔軟に対応いたします。

6)計測機能オプションと、豊富な経験を活かしたシステム提案

ロックイントリガー出力機能
 外部機器制御用の同期信号出力により、撮影フレームと同期を取りながらフラッシュランプなど他の設備を連動させることが可能です。
 ソーラーパネルの品質検査や金属の熱ストレス評価など、微小な熱変化を観測する場合に有効です。
外部トリガー入力機能
 外部機器からのパルス信号入力と同期した計測が可能です。
 複合材料の接着異常や水の浸入検査など、短時間のパルス状の熱負荷を与えた直後の温度変化を計測するアクティブ・サーモグラフィ法や、タイヤなどの回転体の回転数と同期計測を行う場合などで有効です。
複数レンジ同時計測機能
 最大3レンジの温度計測を同時に行うことが可能です。
 急速に温度変化する現象や、広いダイナミックレンジを必要とする測定で、レンジ切り替えせずに広い温度範囲をリアルタイムに計測することが可能です。

 さらに、これらの機能や性能を活かし、ロックイン解析システム、回転体同期計測システム、爆発試験・評価システムなど、特注システムの開発も請け賜ります。

<製品情報>

【本件に関するお問い合わせ先】

赤外線サーモグラフィ事業部 営業部 営業推進グループ 宮田、入江
〒141-0031 東京都品川区西五反田8-1-5 五反田光和ビル
TEL: 03-5436-1371
E-mail:product-irc@ml.avio.co.jp

本リリースに掲載されている内容は、発表時のものです。
商品の販売終了や組織の変更により、お問い合わせ先など最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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