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  3. サーモグラフィを活用した深部推定体温と呼吸数の非接触・同時計測技術を開発

2026年8月19日
日本アビオニクス株式会社

サーモグラフィを活用した
深部推定体温と呼吸数の非接触・同時計測技術を開発
―東京都立大学との共同研究および東京都立病院機構との実証研究で有用性を確認―

  • 本リリースは、日本アビオニクス株式会社が共同研究および実証研究の成果を取りまとめ、共同研究機関および実証研究機関の確認を得たうえで発信しています。

日本アビオニクス株式会社(神奈川県横浜市、代表取締役執行役員社長:竹内 正人)は、東京都立大学(名誉教授:松井 岳巳、名誉教授:淺井 雅人)との共同研究により、深部推定体温と呼吸数を非接触で同時に計測する技術を開発しました。また、東京都立病院機構・東京都立多摩南部地域病院(院長:桂川 秀雄)と連携し、救急外来で実証研究を実施しました。

実証研究では、当社の医用サーモグラフィをベースに開発したプロトタイプ(試作機)を使用し、患者に触れずに短時間で深部推定体温(額の表面温度から推定した値)と呼吸数を取得できる可能性が示唆されました。発熱者のスクリーニングや頻呼吸(呼吸回数が通常より多い状態)の早期把握に有効である可能性が示され、医師・看護師からは観察負担の軽減や初期評価の迅速化につながるとの評価を得られました。今後は、医療・介護・産業保健など幅広い現場での活用を見据え、製品化に向けた市場性の検証、PoC(仕様・運用面の実証試験や試行導入)を進めていきます。

写真1.当社の医用サーモグラフィ技術を応用して
開発したプロトタイプ(試作機)
  • 本試作機は研究段階のものであり、医療機器としての承認・認証を受けたものではありません。
写真2.共同研究・実証研究に
参加したメンバー
  • 中央はプロトタイプ(試作機)

1. 共同研究と実証研究の概要

日本アビオニクス株式会社は、東京都立大学と共同で、深部推定体温と呼吸数を非接触で同時に計測する技術の研究開発を進めてきました。
本技術を実際の医療現場で検証するため、東京都立病院機構 東京都立多摩南部地域病院と連携し、救急外来においてプロトタイプ(試作機)を用いた評価を実施しました。実証研究では、臨床環境下において、深部体温推定に必要な額の測定位置や、呼吸数解析に用いるマスク表面温度の取得条件などについて、実際の運用を見据えた確認を行いました。
これらの共同研究および実証研究を通じて、深部体温推定および呼吸数計測に関する技術の検証を進めるとともに、臨床現場での活用に向けた技術的・運用的な知見を蓄積しました。

2. 技術の特徴:深部推定体温と呼吸数を非接触で“同時に”計測

体温と呼吸数は、血圧・脈拍・意識レベルと並んでバイタルサインを構成する重要な指標であり、患者の状態を把握するうえで極めて重要です。特に深部体温は体内の生理状態を反映しやすく、熱中症や感染症、手術中の体温管理などで重視されています。また呼吸数は、敗血症や急性疾患の早期兆候として敏感に変化する重要な指標の一つとされ、迅速かつ適切な把握が求められています。
本技術の最大の特徴は、これら重要なバイタルサインである深部推定体温と呼吸数を、非接触で“同時に”取得できる点にあります。
従来、深部体温は直腸温やコアテンプ計など侵襲的な方法が主流で、日常診療での連続測定は困難でした。また呼吸数は看護師による目視観察が一般的で、ばらつきや負担が課題となっていました。
本技術では、サーモグラフィで計測した額の表面温度から深部体温を推定する独自の推定アルゴリズムと、マスク表面温度の変化から呼吸数を解析する手法を組み合わせることで、非侵襲・連続・自動で取得可能な新たなバイタル計測技術となる可能性があります。

3. 実証研究の結果と臨床現場の評価

(1)実証研究の結果

実証研究は、救急外来という実際の診療環境において、約50人の患者を対象に、プロトタイプ(試作機)を用いた深部体温推定および呼吸数計測について評価を実施しました。
深部体温推定については、額の測定位置が大きくずれた場合を除き、腋窩温度(わきの下の体温)との間に一定の相関が認められました。また、体温計で37.5℃以上の発熱が確認された患者では、サーモグラフィによる深部体温推定でも同等値を示す傾向がみられ、発熱者のスクリーニングに有効である可能性が示されました。
呼吸数については、マスク表面温度の変化をサーモグラフィで捉えることで、短時間で計測できることが確認され、頻呼吸の兆候についても早期把握への可能性が示唆されました。

(2)臨床現場の評価(東京都立多摩南部地域病院)

桂川院長をはじめ、救急外来の医師・看護師からは、深部推定体温と呼吸数を非接触で同時に取得できる点について観察負担の軽減や初期評価の迅速化に寄与するとの評価を得ました。また、熱中症や重症感染症など、深部体温が重要となる場面での活用にも期待が示されています。
これらの結果から、本技術は救急外来における初期評価の効率化や観察負担の軽減に寄与する可能性があり、今後の幅広い臨床応用が期待される結果となりました。

  • 本実証研究は、病院の倫理審査委員会の承認を得て、患者の同意の上で実施しました。また、約50人を対象とした小規模な初期検証であることから、今後さらなる症例集積と検証が必要です。

今後の展開

当社は、今回の実証研究で得られた知見を踏まえ、今後、製品化の検討を視野に入れつつ、市場性の把握・検証を進めてまいります。
救急外来や一般病棟、介護施設、在宅医療、産業保健(働く人の健康管理)、さらに感染予防における発熱者スクリーニング用途など、本技術が活用できる可能性のある領域について、現場のニーズや課題を整理していく予定です。
市場性の検証にあたっては、医療機関・介護施設・企業との協働による試行導入やヒアリングを通じて、運用性や必要とされる精度などを把握します。これらを踏まえ、製品化に向けた仕様検討や事業化に必要な論点を整理していく予定です。
これらの取り組みを通じて、非接触でバイタルサインを取得できる本技術の社会実装を目指し、医療現場や社会の課題解決に貢献してまいります。

図1.プロトタイプ(試作機)を用いた計測の概念図

【本件に関するお問い合わせ】

日本アビオニクス株式会社 赤外線センシング事業部 技術開発部 宇田、佐々木
TEL:045-287-0305
URL:https://www.avio.co.jp/

本リリースに掲載されている内容は、発表時のものです。商品の販売終了や組織の変更により、
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