建物診断の原理(外壁)
赤外線サーモグラフィによる外壁調査
概要
赤外線エネルギーを温度情報としてキャッチする赤外線サーモグラフィカメラは、建築・土木構造物の調査診断において、
その特長を生かした活用が幅広く行われています。
外壁の表面部分に生じる温度差を赤外線サーモグラフィで計測することにより、異常部分を見つけることが可能となります。
実際に調査を行う場合には、赤外線サーモグラフィの原理や機器の操作方法、ソフトウェアの使い方などを
十分に理解する必要があります。
外壁剥離部 検出原理(タイル、モルタル等)

- 剥離すると内部に、断熱性を持った空気層ができる
- 浮き・剥離部の空気層が熱を伝えにくい
- 日射により外気温が上昇すると、健全部より高温になる

- 夜間には、昼間躯体に蓄積された熱が大気中に放出される
- 空気層がある部分は躯体からの放熱を遮断する
- 外気温が低くなると、健全部に比較して低温になる
外壁剥離部 画像(可視/赤外線)


赤外線サーモグラフィによる外壁診断が必要な背景
平成20年の建築基準法の改正により、10年毎に外壁の全面打診検査が義務化され、平成23年より
完全義務化されました。足場が不要で建物を傷つけず非接触で行えるサーモグラフィによる診断が、
「作業性」や「経済性」に優れた外壁調査の手法として注目されています。
赤外線サーモグラフィ調査の主な特長
- 非接触で離れた箇所から検査が可能
- 温度分布の状況を、熱画像データとして記録することが可能
- 異常部を画像や数値で示すことができるため、わかりやすく説明しやすい
- 広い面積を短時間で調査できるので、作業効率が良い
- 調査中でも対象構造物は通常通り利用可能(病院、商業施設、共同住宅など)
赤外線サーモグラフィ調査の注意点
- 天候や気温の気象条件によっては、検査が行えない場合がある
- 周囲の建物などによる反射や日陰の影響により検査が困難となることがある
- 適応対象によっては、検査可能な時間帯が制限される(日中、日没後など)
- 建物の構造や、外壁の仕上げ材の色や材質の影響を注意しながら検査する必要がある
外壁調査の比較例(打診/赤外線サーモグラフィ)
メリット | デメリット | |
打診調査 |
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赤外線 サーモグラフィ調査 |
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アプリケーション事例
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