銅とアルミの接合
超音波金属接合とは

接合方法:金属溶接

銅とアルミニウムを超音波で接合するメリットや、仕組みをわかりやすく説明します。

部品の軽量化・コストダウンに伴い、銅に比べて比重が小さく、安価なアルミニウムの採用が始まっています。電気接続には、銅とアルミの接合が必要です。
リチウムイオン電池(LIB)や車載ワイヤーハーネスの接合などで、使用されている超音波金属接合について解説します。

銅とアルミを接合する方法

銅とアルミニウムを接合する方法としては、超音波金属接合以外にもレーザー溶接や抵抗溶接などがあります。
抵抗溶接やレーザー溶接のような溶融接合工法で銅とアルミニウムを接合すると、もろい金属間化合物層※1を形成してしまい実用的な強度や接合信頼性が得られないことが多くあります。
超音波での接合は、銅とアルミを溶かさずに固相※2状態のまま接合するため、もろい金属間化合物層を形成することなく高い強度を得ることができます。
(※1 : 複数の金属から構成される化合物)
(※2 : 固体で占める一様な形態)

超音波金属接合の仕組み

超音波金属接合は、銅やアルミニウムなどの非鉄金属同士の接合に適しています。もちろん銅とアルミニウムの異種金属接合もできます。

●接合プロセス

  • 超音波発振器で高周波の交流電流を発生させ、電気エネルギーとして振動子に供給。数万回/秒の機械振動(超音波振動エネルギー)に変換します。
  • 振動子の超音波振動エネルギーがホーンを伝搬し、ホーン先端では加圧方向に対し垂直方向の振動(横振動)になります。
  • ワーク(被接合物)にヘッド荷重と超音波振動を印加することで、金属接合が可能となります。
ALT:超音波金属接合プロセス

●銅とアルミニウムの異種金属接合断面図

銅とアルミニウムを超音波で接合した断面図です。
接合界面に明確な境界線があり、溶融組織は認められず固相状態であることがわかります。

ALT:銅とアルミニウムの接合 断面写真

●銅とアルミニウムの異種金属接合例

銅とアルミニウムの接合事例です。

ニッケルめっき銅タブ×アルミタブ
ニッケルめっき銅端子×アルミより線

●超音波金属接合のメリット

超音波で接合するメリットは、3つあります。

  1. 溶融温度が異なる異種金属の接合ができる
  2. 固相接合により低温で接合できるため熱影響が少ない
  3. 短い接合時間で接合できるため、生産性が高い

非鉄金属(アルミニウム、銅)のハーネス、箔接合などに適した工法です。

超音波金属接合機のラインアップ

日本アビオニクスの超音波金属接合機は、広い加圧範囲で安定した超音波による振動振幅が保てます。そのため高品質の接合が得られます。

3種類のラインアップで、安定した銅とアルミの接合をご提供します。

  1. 銅とアルミを高品質で接合 SW-3500-20/SH-H3K7
  2. 細径ハーネスや電池箔などの微細ワークを接合 小型超音波金属接合機 ハイエンドモデル
  3. 小スペースの設置に対応 小型超音波金属接合機 スタンダードモデル

銅とアルミニウムの接合は、軽量化などにはかかせません。特にリチウムイオン電池の積層箔や車載ワイヤーハーネスのように電気を伝える製品には、超音波による接合が適しています。

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