金属部品の焼き嵌め

金属製の軸と軸受けを「効率良く」焼き嵌める高周波誘導加熱方式

接合方法:金属焼き嵌め

焼き嵌めとは

焼き嵌め加工は、加熱によって内径が膨張した金属部品に、別の部品を嵌め込む技術です。
特に、軸と軸受けのような密着性が求められる部品の組み立てにおいて、この方法は非常に有効です。

主な工法として、ヒーター方式、火力方式、高周波誘導加熱方式があります。

ヒーター、火力方式

  • ヒーターや火力では、不均一な加熱や隣接する部品へ熱影響が生じる可能性があります。
  • 熱源を利用することで、作業場所が高温になり、安全性の低い作業環境を作り出す可能性があります。また、火災や火傷などの懸念もあります。
  • ヒーターは常時加熱となるため、エネルギーコストが高くなり、製造コスト全体を増加させる要因となります。

高周波誘導加熱方式

高周波誘導加熱による焼き嵌めは、局所的に高速な加熱が可能となるため、組み立てる部品への熱影響を最小限に抑えつつ、ヒーターや火力よりも適切な温度まで素早く加熱することができます。

ALT:高周波誘導加熱による焼き嵌めイメージ図

高周波誘導加熱のメリット

  • 高速加熱
    部品を高速で加熱できるため、生産効率が向上します。
  • 熱分布が均一
    金属の表面全体を加熱させるため、熱分布が均一な加熱が可能です。
  • 非接触加熱
    部品に直接触れることなく加熱できるため、部品の変形や損傷のリスクを低減します。
  • コスト低減
    常時加熱と異なり、高周波を発振させた時のみ加熱されるため、エネルギーコストを低く抑えられ、ランニングコストの低減が見込めます。

高周波誘導加熱の「加熱対象材質」

  • 高効率材質
    鉄、ステンレス(磁性体)
  • 低効率材質
    真鍮、アルミ

高周波誘導加熱を用いた焼き嵌め工法は、
そのメリットを最大限に活かすことで、多様なニーズに応えることができます。

使用例として、自動車産業のインジェクションのパイプの焼き嵌めや、電子機器産業の小型モーターやポンプのシャフトなどの嵌め込みで利用されています。
効率的な加熱が可能なこの技術は、今後も多くの産業での利用が期待されています。

高周波誘導加熱の原理

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