皮膜線の皮膜を除去せずに、はんだレスで基板につける
接合方法とは?
接合方法:熱圧着
モーターのコイル端末、ヒーター、RFID、ノイズフィルターなどは、金属端子や基板に、表面が絶縁体で皮膜されたエナメル線やマグネットワイヤーなどをつけます。通常は、皮膜をはがして銅やアルミの素材をだし、はんだ付けします。はんだ付けする前に、皮膜をはがす工程が必要となります。
皮膜の除去工程をなくして、作業効率を上げる1つの方法として、抵抗溶接機での熱圧着があります。
皮膜線のはんだ付けの課題とは
皮膜線とは
皮膜と被膜違いを悩む方も多いのではないでしょうか。皮膜は、銅やアルミ線などのワイヤーに溶かした絶縁体を焼き付けて覆った状態をさしています。一方被膜は、ビニールなどで線を保護しているものになります。
皮膜線は、エナメル線やマグネットワイヤーのように表面が金属のように見える線です。
皮膜線のはんだ付けの課題
皮膜線を基板や金属端子にはんだ付けするには、保護している皮膜をはがして、導通できる線(ワイヤー)を出す必要があります。
皮膜をはがす方法は、2つありますが、どちらも量産する場合には、課題があります。
●剥離剤で化学的に剥離を行う場合の課題
- 毛管現象で剥離剤が、線の内部まで浸透し製品の故障原因となる場合がある。
- 薬品の保存、取り扱いの管理が厳しい。
●はんだ付けで除去する場合
- 耐熱指標が高い皮膜の場合には、銅食われや、はんだ槽の寿命が短くなる。
皮膜をはがさず基板に接合する方法は
皮膜線を抵抗溶接機で、熱圧着すると皮膜をはがさず、しかもはんだレスで接続することができます。
皮膜線のはんだを使わないで接続する方法
抵抗溶接での皮膜線の熱圧着とは
抵抗溶接というと一般的には、金属と金属を接合するイメージだと思います。抵抗溶接は、大容量の電流を接合する対象物に流して、発生する“ジュール熱”で対象物を加熱してつける方法です。
皮膜線をつける場合には、電極をはんだ付けで使用する弊社のパルスヒートのようなヒーターチップ形状にし、電気を流すことで発熱させて皮膜を溶かし、熱拡散接合で圧着させます。
拡散接合とは
拡散接合は、“部材を密着させ,母材の融点以下の温度条件で,塑性変形をできるだけ生じない程度に加圧して、接合面間に金属結合を実現して接合する方法“です。
皮膜線の接合では、抵抗溶接機で発生させた電極の熱で、皮膜を溶かし、ワイヤーの新生面を出して、ワイヤーを加圧し、拡散接合(固相接合)させます。
皮膜線を抵抗溶接で接合するメリットは?
抵抗溶接機で接合することで、生産タクトの向上と、工程短縮が可能です。
- 接合に必要な時間が約0.02秒と短いため、生産タクトが早くなり、しかも接合部分以外の熱影響が少ないため、品質向上につながります。
- 皮膜の剥離工程が省けるため、工程短縮になり、しかも薬剤などの管理工数やコスト削減が図れます。
抵抗溶接でのはんだレス皮膜線の接合は、短い時間で大量に生産する場合に最適な方法です。
インバーター式抵抗溶接機NRW-IN400PAとは
インバーター式抵抗溶接機NRW-IN400 PAは、皮膜線の皮膜を除去せず、はんだレスで接合できる抵抗溶接機です。
5khzの高周波数で電流を高速で立ち上げられるため、接合のインターバルを短くできます。さらに波形制御を任意に設定することで、ヒーターチップのサイズに合わせて昇温することが可能です。
また、4つの接合工程を1台の電源で対応可能なマルチトランスシステムにより、抵抗溶接機を導入するときのデメリットである導入コストを抑えることが可能です。
詳しい製品仕様は、こちらをご覧ください。
皮膜線を基板に接合する場合の課題は、皮膜線の皮膜除去です。
インバーター式抵抗溶接機NRW-IN400 PAであれば、はんだを使わず、皮膜除去とワイヤーの接続を同時に行うことができます。しかもはんだ付けよりも、短時間で接合可能です。
タクト短縮と工程改善ため、ご検討してはいかがでしょうか?
日本アビオニクスでは、実際にテストできる実験室があります。お試しになりたい方は、以下のフォームよりお申込みください。
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性能評価やご導入時の機種選定のため、実際の装置を使ってサンプル実験を行える実験室をご用意しています。
また、サンプルをお預かりして弊社で実験を行いご返送することも可能です。
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