導電性樹脂と金属の
異種材接合
接合方法:パルスヒート可熱接合
持続可能な社会のため、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現が求められています。その中は、再生エネルギーの活用や電気自動車の普及などがあります。そのため蓄電池の効率化や、軽量化が重要な課題の一つです。
軽量化のために、使われている金属を樹脂などの軽量な素材への転換が求められています。
また樹種も電気を通す素材との融合で、導電性樹脂が開発されており、従来の金属系から樹脂系の素材への研究が進んでいます。
しかし、すべてを樹脂にすることが困難な場合には、金属と樹脂との接合が必要となります。
日本アビオニクスは、はんだなどの中間材がなく、熱影響の少ない接合方法を求め研究を重ね、導電性樹脂と金属を直接接合することができる異種材接合技術を開発しました。
日本アビオニクスの導電性樹脂フィルムと金属の異種材接合について接合プロセスや、特徴などをご紹介します。
導電性樹脂フィルムとは
導電性樹脂フィルムは、電気を通さないプラスチックに、金属や炭素繊維などの無機導体を練りこんだり、表面に導体の薄膜を形成したりして導電性をもたせたものです。
用途は、ATMや、スマホ、タブレットなど情報端末のタッチパネルのほか、パソコンやテレビなどの有機ELディスレイにも使われています。
最近では、導電性樹脂フィルムを、集電体として利用し軽量化を図る研究もおこなわれています。
日本アビオニクスの樹脂と金属の異種材接合とは
たとえば、導電性樹脂フィルムと金属製のタブリードを接合するにはどうすればよいでしょうか。導電性樹脂と金属の接合には、抵抗溶接や超音波接合は適していません。
そのため日本アビオニクスでは、樹脂と金属を直接つける技術を開発しました。
どのようなプロセスで接合をするのか解説していきます。
異種材接合の接合プロセスとは
日本アビオニクスの異種材接合プロセスは、以下の3つの工程で接合されます。
第一工程 レーザ工程
アンカー効果による機械的結合力向上のために、高ピーク・高エネルギー密度レーザ照射によるアブレーション加工を行い、金属表面に微細なディンプルを形成します。
第二工程 プラズマ工程
表面のクリーニングや、官能基生成による化学的結合力向上のために、ワークの表面にプラズマ照射を行います。
第三工程 瞬間加熱圧着(パルスヒート)工程
ヒータチップあるいはヒータツールと呼ばれる金属製の接合ツールに電流を流し、ツール自身の抵抗発熱を利用して対象物を加熱するパルスヒートユニットにより、接合を行います。
異種材接合の特徴
日本アビオニクスの異種材接合は、締結部品や接着剤を必要としない環境にやさしい直接接合です。
また、二次加工で接合することができるので、射出成型などで必要とされる金型が不要となり、設備コストの低減に繋がります。
そして、小型の接合ツールを使うことで、小エリアあるいは薄い金属材料の接合に対応することができます。
導電性樹脂フィルムとタブリードなどの導電性樹脂と金属のように、面積の比較的小さい接合には適した異種材接合技術です。
製品の軽量化には、金属から樹脂への置き換えが必要です。しかしすべての金属を樹脂に置き換えることは、むずかしいので、樹脂と金属の異種材接合が必要となります。
日本アビオクスの異種材接合技術は、薄くて、小さい製品に適した技術です。
今回ご紹介した以外にCNT-Peek材と金属などいろいろな樹脂と金属の接合が可能です。
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